システム開発で最も難しいのは、お客様の「本当に欲しいもの」を引き出すこと。要件ヒアリングのコツをお伝えします。
なぜヒアリングが難しいのか
1. 言葉の定義が違う
同じ言葉でも、人によって意味が異なります。「顧客管理」と言っても、名刺管理なのか、商談管理なのか、請求管理なのか。
2. 当たり前すぎて言わない
現場では当然のことを、わざわざ説明しないことがあります。暗黙の前提が抜け落ちます。
3. 解決策を語ってしまう
「Excelで管理したい」と言われても、本当の課題は別にあるかもしれません。
ヒアリングの基本テクニック
1. オープンクエスチョンから始める
「はい/いいえ」で答えられない質問で、相手の考えを引き出します。
- 「今の業務で困っていることは何ですか?」
- 「理想の状態を教えてください」
- 「その作業にどのくらい時間がかかっていますか?」
2. 5回の「なぜ」
表面的な要望の背景にある本当の課題を掘り下げます。
例:「レポートを自動化したい」→ なぜ?→「作成に時間がかかる」→ なぜ?→「データが分散している」→ 本当の課題は「データの一元管理」
3. 具体的なシーンを聞く
「普段どのように作業していますか?実際に見せてもらえますか?」
4. 言い換えて確認する
「つまり〜ということですね?」と確認しながら進めます。
ヒアリングでの注意点
- 専門用語を使わない
- 相手の話を遮らない
- メモを取りながら聞く
- 複数の人から聞く(立場で見え方が違う)
筆者:芝 香(しば かおる)
ネクストソサエティ株式会社 代表取締役。北海道文教大学非常勤講師(経営マネジメント論・マーケティング論)、北海道大学会計レクチャー講師。恵庭市主催の起業塾講師も務める。中小企業の経営支援やICT導入コンサルティングを専門とする。